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脊椎側弯症はなぜ起こる?主な原因と種類別の違いを解説

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脊椎側弯症はなぜ起こる?主な原因と種類別の違いを解説

脊椎側弯症はなぜ起こる?主な原因と種類別の違いを解説

2026/03/30

脊椎側弯症とは?その概要と分類

脊椎側弯症の定義とは

脊椎側弯症(せきついそくわんしょう)とは、本来まっすぐであるべき背骨(脊椎)が、左右に曲がって(側屈して)しまう病気です。

 

 単に横に曲がるだけでなく、背骨そのものがねじれ(回旋)を伴って変形するのが大きな特徴です。曲がりの形によって、アルファベットの「C字型」や「S字型」に分類されます。日本の全人口の約1〜2%に見られ、特に小中学生の成長期(思春期)の女子に多く発症することが知られています。初期段階では痛みがないことが多く、見た目の変化で気づくケースがほとんどです。

健康な脊椎と側弯症の違い

健康な脊椎は、正面や背面から見るとまっすぐな直線を描いています。一方、横から見ると、首(前弯)、胸(後弯)、腰(前弯)と緩やかな「S字カーブ」を描いており、この生理的な湾曲がクッションの役割を果たして体にかかる衝撃を吸収しています。

 

 これに対し、脊椎側弯症では正面から見た時に背骨が左右に曲がっています。そのため、「左右の肩の高さが違う」「肩甲骨の出っ張り方が左右で異なる」「ウエストのくびれが非対称になる」といった外見上の違いが現れます。さらに進行すると、背骨のねじれによって肋骨が押し出され、前かがみになった時に背中や腰の片側が不自然に盛り上がる(肋骨隆起)ようになります。

診断基準と分類のポイント

脊椎側弯症の診断は、主にX線(レントゲン)検査で行われます。

 

背骨の曲がりの大きさを測る「コブ角(Cobb角)」という指標が用いられ、この角度が10度以上の場合に「側弯症」と確定診断されます。コブ角が25度〜40度程度になると専用のコルセット(装具)を用いた治療が検討され、40度〜50度を超えると進行を防ぐための外科的手術が検討されるのが一般的な基準です。

 

 また、側弯症は大きく分けて、姿勢の悪さや痛みをかばうことで一時的に曲がっているだけの「機能性側弯症」と、背骨そのものの構造的な変形を伴う「構築性側弯症」の2つに分類されます。治療が必要となるのは後者の構築性側弯症です。

脊椎側弯症の主な原因

特発性側弯症:脊椎側弯症の原因の大多数は不明

構築性側弯症の中で最も割合が多く、全体の80〜85%を占めるのが「特発性(とくはつせい)側弯症」です。「特発性」とは医学用語で「原因が分からない」ことを意味します。

 

 姿勢の悪さやカバンを持つ手、食事の偏りなどが原因で起こるものではありません。現在の研究では、遺伝的要因、ホルモンバランス、脳の平衡感覚の異常など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられていますが、明確な脊椎側弯症の原因(発症メカニズム)は未解明です。

先天性側弯症:脊椎側弯症の原因となる生まれつきの骨異常

「先天性(せんてんせい)側弯症」は、お母さんのお腹の中にいる胎児期に、背骨が作られる過程で異常が生じることが原因で起こります。

 

 具体的には、本来なら積み木のように独立しているはずの背骨の一部がくっついてしまったり(癒合椎)、背骨の形が半分しか形成されなかったり(半椎)といった「骨の奇形」が生まれつき存在します。成長に伴って曲がりが急速に進行するリスクが高いため、乳幼児期からの慎重な経過観察が必要です。

脊椎側弯症の原因が神経・筋疾患によるもの

神経や筋肉の病気が原因で背骨を支える力が弱くなり、側弯症を引き起こすものを「症候性(しょうこうせい)側弯症」と呼びます。

 

 脊椎側弯症の原因となる代表的な疾患として、脳性麻痺、筋ジストロフィー、脊髄空洞症、神経線維腫症(レックリングハウゼン病)などが挙げられます。これらの病気によって体幹の筋肉のバランスが崩れ、重力に対して背骨をまっすぐに保つことができなくなるため、徐々に背骨が曲がっていきます。

大人の脊椎側弯症の原因となる加齢や変性による影響

大人になってから発症、あるいは急激に進行する側弯症の主な原因が、加齢による背骨の劣化です。これを「変性(へんせい)側弯症」と呼びます。

 

 年齢とともに、背骨の間にあるクッション(椎間板)がすり減ったり、背骨を支える関節や靭帯、筋力が衰えたりすることで、背骨の配列が崩れて左右に曲がっていきます(前傾姿勢を伴う「後側弯症」になることも多いです)。長年の腰への負担や骨粗鬆症なども、大人の脊椎側弯症の原因に深く関わっています。

側弯症の種類とその特徴

特発性側弯症の特徴と傾向

特発性側弯症は、発症する年齢によって「乳幼児期(3歳未満)」「学童期(4〜9歳)」「思春期(10歳以降)」の3つに細かく分類されます。

 

 この中で圧倒的に多いのが「思春期特発性側弯症」です。小学校高学年から中学生にかけての、身長が急激に伸びる時期に発症・進行しやすいのが特徴です。特に女子の発症率は男子の約5〜7倍に上ります。痛みなどの自覚症状が乏しいため発見が遅れがちですが、放置して曲がりが大きくなると、将来的に腰痛や肺活量の低下(呼吸機能障害)を引き起こす恐れがあります。

先天性側弯症の発症メカニズム

先天性側弯症は、背骨の形成異常によって生じるため、特発性側弯症とは異なり、ごく幼い頃(乳幼児期)から背骨の曲がりが目立ち始めることが多いです。

 

 また、背骨が形成される胎児期の同じタイミングで、心臓や腎臓、泌尿器などの他の臓器も形成されるため、先天性側弯症の患者はこれらの臓器にも生まれつきの異常(合併症)を持っている割合が高いという特徴があります。側弯の治療だけでなく、全身のスクリーニング検査を行うことが極めて重要です。

変性側弯症の進行と対策

主に50代以降の中高年に見られる変性側弯症の特徴は、「強い痛み」と「しびれ」を伴うことが多い点です。

 

 思春期の特発性側弯症が痛みを伴わないのに対し、大人の変性側弯症では、背骨が曲がることによって神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されます。その結果、慢性的な強い腰痛や、お尻から足にかけてのしびれ(坐骨神経痛)、長く歩けなくなる症状(間欠性跛行)などが現れます。日常生活に支障が出るため、鎮痛薬の内服やコルセットの着用、リハビリテーションなどの保存療法が中心となります。

症候性側弯症の原因となる背景疾患

神経や筋肉の基礎疾患(脳性麻痺や筋ジストロフィーなど)を背景に持つ症候性側弯症は、特発性側弯症に比べて曲がりが大きく、進行が早い傾向があります。

 

 また、背骨が「C字型」に大きく崩れることが多く、座位(座る姿勢)を保つのが困難になるケースも少なくありません。背骨の変形が内臓を圧迫し、呼吸機能や消化器官に深刻な影響を及ぼすリスクが高いため、装具による体幹のサポートや、早い段階での背骨を固定する手術(脊椎固定術)が検討されることが多いという特徴があります。

脊椎側弯症の予防と対処法

早期発見の重要性

特発性側弯症は原因が不明であるため、残念ながら「これをすれば予防できる」という確実な方法はありません。そのため、背骨の曲がりが小さいうちに異常に気づき、治療を開始する「早期発見」が何よりも重要になります。

 

家庭で簡単にできるチェック方法として「前屈検査」があります。両手を合わせてお辞儀をするように前屈し、背中や腰の左右の高さに違い(盛り上がり)がないかを確認します。学校でのモアレ検査(背中の等高線写真を撮る検査)で再検査の通知が来た場合は、決して放置せず、必ず整形外科(できれば側弯症の専門医)を受診しましょう。

日常生活の注意点とリスク回避

「姿勢が悪いから側弯症になる」わけではありませんが、大人の変性側弯症を予防したり、側弯症による腰痛を軽減したりするためには、日常の姿勢や筋力維持が大切です。

 

 長時間同じ姿勢(デスクワークやスマホ操作)を続けることを避け、こまめに体を動かす習慣をつけましょう。特に中高年以降は、加齢による骨の変形を防ぐため、適度な運動で腹筋や背筋(体幹)を維持することと、骨粗鬆症の予防(カルシウムの摂取や日光浴)を意識することが、背骨の健康寿命を延ばす鍵となります。

医療機関での治療オプション

側弯症の治療は、年齢、骨の成長段階、曲がりの角度(コブ角)を総合的に判断して決定されます。

 

 成長期で曲がりが25度〜40度程度の場合、これ以上曲がりが進行するのを防ぐために「装具療法(専用の硬いプラスチック製コルセットの着用)」が行われます。これは曲がりを「治す」ものではなく「進行を食い止める」ための治療です。曲がりが40度〜50度を超え、将来の内臓機能への影響が懸念される場合や、大人の変性側弯症で神経症状が強く生活に支障が出ている場合には、金属のスクリューやロッドを用いて背骨をまっすぐに矯正・固定する「手術療法」が選択されます。

運動療法やサポート

近年、側弯症に特化した運動療法(シュロス法など)が、軽度〜中等度の側弯症の進行予防や、姿勢の改善、痛みの軽減に有効であるという研究報告が増えています。

 

 医師の許可を得た上で、専門の理学療法士の指導のもと、正しい呼吸法や非対称な筋肉のバランスを整える体操を日常的に取り入れることは非常に有意義です。また、思春期の患者にとって、コルセットの着用や見た目の変化は大きな精神的ストレスを伴います。医療機関のサポートだけでなく、家族が病気を正しく理解し、温かく寄り添う心理的なサポートが治療の完遂には不可欠です。

参考文献・出典一覧

【学会・公的機関・専門組織】

 

日本側彎症学会 公式サイト

https://www.sokuwan.jp/

 

日本整形外科学会(JOA)「側弯症」

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html

 

Scoliosis Research Society (米国側弯症学会:SRS)

https://www.srs.org/

 

SOSORT (The International Society on Scoliosis Orthopaedic and Rehabilitation Treatment)

https://www.sosort.org/

 

【主要論文・ガイドライン】

 

Negrini S, et al. 2016 SOSORT guidelines: orthopaedic and rehabilitation treatment of idiopathic scoliosis during growth. Scoliosis Spinal Disord. 2018;13:3.

 

(側弯症の保存療法・運動療法に関する国際ガイドライン)

 

Romano M, et al. Exercises for adolescent idiopathic scoliosis: a Cochrane systematic review. Spine. 2013;38(14):E883-93.

 

(思春期特発性側弯症に対する運動療法・筋力トレーニングの有効性に関するシステマティックレビュー)

 

Monticone M, et al. Active self-correction and task-oriented exercises reduce spinal deformity and improve quality of life in subjects with mild adolescent idiopathic scoliosis. Eur Spine J. 2014;23(6):1204-14.

 

(自己矯正を取り入れたエクササイズ・筋力訓練が側弯の変形軽減とQOL向上にもたらす効果)

 

本記事は2026年3月時点の最新医学的エビデンスおよびSOSORT(国際側弯症保存療法学会)、日本側彎症学会等の公式見解に基づき作成されています。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)基準に準拠した内容となっています。側弯症の適応や安全な筋トレのメニューは患者様ごとに異なりますので、自己判断での過度な運動は避け、必ず整形外科専門医または理学療法士にご相談ください。

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