東京脊柱専門整体院

側弯症で学校検診に引っかかったら?受診までの流れ・検査内容・結果別の対応を保護者向けに専門家が解説

お問い合わせはこちら ご予約はこちら

側弯症で学校検診に引っかかったら?受診までの流れ・検査内容・結果別の対応を保護者向けに専門家が解説

側弯症で学校検診に引っかかったら?受診までの流れ・検査内容・結果別の対応を保護者向けに専門家が解説

2026/10/08

「学校検診で『側弯症の疑い』と書かれた通知を持ち帰ってきた」

「痛がってもいないのに、本当に病院に行く必要があるの?」

「何科に行けばいいの?どんな検査をするの?」

学校検診の季節になると、こうしたご相談が一気に増えます。突然の通知に驚き、不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。

まずお伝えしたいのは、学校検診で引っかかったからといって、側弯症と確定したわけではないということです。学校検診は、精密検査が必要な人を見つけるための「ふるい分け」です。

一方で、側弯症は痛みがないまま成長期に進行することがあるため、「様子を見る」という名目で受診を先延ばしにするのは避けてください。この記事では、学校検診で指摘を受けたときに保護者がすべきこと、整形外科での検査内容、結果別の対応を、公的機関や学会の情報にもとづいて解説します。

まず知ってほしい:引っかかった=側弯症確定ではない

学校検診は「ふるい分け(スクリーニング)」

学校検診は、多くの児童・生徒の中から、側弯症の可能性がある人を見逃さないために行われます。そのため、少しでも疑わしい所見があれば「要精密検査」と判定される仕組みになっています。

実際に整形外科で検査を受けると、「側弯症ではなかった」「側弯はあるが軽度で、経過観察でよい」という結果になるケースも少なくありません。通知を受け取っても、必要以上に心配しすぎないでください。

なぜ学校で側弯症をチェックするのか

側弯症の多くを占める思春期特発性側弯症は、10歳前後から骨の成長が終わるまでの時期に発症・進行し、進行しても痛みがほとんど出ないという特徴があります。本人も家族も気づかないうちに進行してしまうことがあるため、学校で定期的にチェックする意味があるのです。

日本では、学校保健安全法施行規則の改正により、2016年4月から学校の定期健康診断で「運動器検診」が必須項目となり、脊柱(側弯症)のチェックが全国で行われています。定期健康診断は、毎学年6月30日までに実施することとされています。

学校検診ではどんな方法でチェックしているのか

・保健調査票…家庭で記入する問診票。背骨の曲がりや肩の高さの違いなどを保護者がチェックします

・視診…学校医が、肩・肩甲骨・ウエストラインの左右差を確認します

・前屈テスト…おじぎをした姿勢で、背中や腰の片側が盛り上がっていないかを確認します

・モアレ検査…地域によっては、背中の凹凸を縞模様で映し出す機器を使って検査します

学校検診で引っかかったらすべきこと:受診までの5ステップ

ステップ1:通知書の内容を確認する

通知書には、指摘された内容や、受診後に学校へ提出する「受診結果報告書」が添付されていることが多いです。受診時に必要になるため、なくさないように保管しましょう。

ステップ2:できるだけ早めに整形外科を予約する

成長期、とくに身長が急に伸びている時期は、短期間で側弯が進行することがあります。通知を受け取ったら、できれば1か月以内を目安に受診しましょう。夏休みまで待つ、といった先延ばしはおすすめしません。

ステップ3:受診する医療機関を選ぶ

・受診するのは整形外科です

・立った状態で背骨全体のX線を撮影できる医療機関かを事前に確認しましょう

・側弯症を専門とする医師がいる医療機関なら、より安心です。日本側彎症学会のウェブサイトでも情報を探すことができます

ステップ4:持ち物を準備する

・健康保険証(マイナ保険証)、子ども医療証

・学校からの通知書・受診結果報告書

・母子健康手帳、最近の身長の記録(成長の伸び方が分かるもの)

・女子の場合は初経の有無と時期のメモ

・着替えやすい服装(X線撮影時は金属のついた下着やアクセサリーを外します)

ステップ5:お子さんへの声かけ

お子さんも通知を受け取って不安を感じていることがあります。「念のため詳しく診てもらおうね」と、過度に深刻にならず、責めない言い方で伝えてあげてください。

整形外科で行う検査

1.問診…気づいた時期、痛みの有無、身長の伸び、初経の時期、家族に側弯症の人がいるかなど

2.視診・前屈テスト…スコリオメーターという器具で背中のねじれの角度を測ることもあります

3.神経学的検査…手足の筋力や反射を確認し、神経の病気が隠れていないかを調べます

4.立位全脊柱X線検査…立った状態で背骨全体を撮影し、背骨の曲がりの角度(コブ角)と骨の成熟度(Risser徴候)を評価します。コブ角10度以上で側弯症と診断されます

5.必要に応じてMRIなど…カーブの向きが典型的でない、痛みやしびれがあるなどの場合に追加されます

検査に痛みはなく、初診は待ち時間を含めて1〜2時間程度が目安です。

検査結果別の対応

結果(目安)
主な対応
異常なし(コブ角10度未満など)  
治療は不要。成長期はご家庭でのセルフチェックを続ける  
軽度(10〜20度程度)
3〜6か月ごとに受診して経過観察。必要に応じて運動療法  
中等度(20〜25度以上)で成長が残っている
装具(コルセット)療法を検討
高度(45〜50度以上)中等度(20〜25度以上)で成長が残っている
手術を検討。専門施設を紹介されることもある  

「経過観察」と言われたら:放置ではない

最も多い結果が「経過観察」です。ここで誤解されやすいのが、経過観察は「何もしなくていい」という意味ではないという点です。

経過観察とは、定期的にX線で角度を確認し、進行の兆しがあれば適切なタイミングで治療を始めるための、積極的な治療方針です。成長期は、角度そのものよりも「どのくらいの速さで変化しているか」が重要な判断材料になります。指示された受診間隔は必ず守りましょう。

進行した場合に行われる装具療法は、大規模な臨床試験で効果が証明されています。米国などで行われたBrAIST試験では、装具療法を行った群の72%がコブ角50度未満で成長を終えたのに対し、経過観察のみの群では48%でした(Weinstein SL, et al. N Engl J Med. 2013;369(16):1512-1521.)。ただし装具が有効なのは骨の成長が残っている間だけです。経過観察の受診を途中でやめてしまうと、この治療のタイミングを逃すことになりかねません。

保護者の方に知っておいてほしいこと

姿勢が悪いから側弯症になったわけではない

思春期特発性側弯症の原因は、まだ解明されていません。普段の姿勢や重いランドセル、生活習慣が原因で起こるものではないと考えられています。「姿勢が悪いからでしょう」とお子さんを責めたり、保護者の方がご自身を責めたりする必要はありません。

きょうだいも一度チェックを

特発性側弯症には家族内で発症しやすい傾向があることが知られています。お子さんが側弯症と診断された場合は、きょうだいの背中もご家庭でチェックしてあげてください。

心のケアも治療の一部

思春期のお子さんにとって、見た目の変化や通院、装具の装着は大きな心理的負担になります。見た目のことを繰り返し指摘するのは避け、不安な気持ちに寄り添うことが、治療を前向きに続ける力になります。

よくある質問

Q. 毎年学校検診で引っかかりますが、毎回受診が必要ですか?

A. すでに整形外科で経過観察を受けている場合は、主治医の受診予定に沿って通院していることを学校に伝えれば問題ないことが多いです。一度「異常なし」と言われた場合でも、成長期は変化することがあるため、再度指摘された際は受診をおすすめします。

Q. 受診にかかる費用はどのくらいですか?

A. 診察やX線検査は健康保険の対象です。多くの自治体では子ども医療費助成があり、自己負担が軽減または無料になる場合があります。

Q. 体育や部活は続けてもいいですか?

A. 側弯症と診断されても、ほとんどの場合、運動を制限する必要はありません。運動は体幹機能や心身の健康に役立ちます。痛みがある場合や治療中の場合は、担当医に確認してください。

Q. 受診結果報告書は必ず提出しないといけませんか?

A. 学校が児童・生徒の健康状態を把握し、必要な配慮をするために使われます。医療機関で記入してもらい、学校に提出しましょう。

まとめ

学校検診で側弯症の疑いを指摘されても、それは「精密検査を受けましょう」というサインであり、側弯症と確定したわけではありません。ただし、成長期の側弯症は痛みなく進行することがあるため、通知を受け取ったらできるだけ早く整形外科を受診してください。

早期に見つかれば、経過観察・運動療法・装具療法といった選択肢を、余裕を持って検討できます。学校検診での指摘は、お子さんの将来の背骨を守るための大切なきっかけです。

参考文献・出典一覧

【学会・公的機関・専門組織】

・文部科学省「学校保健安全法施行規則の一部改正等について」(運動器検診の必須化)
 https://www.mext.go.jp/

・公益財団法人 日本学校保健会「児童生徒等の健康診断マニュアル(平成27年度改訂)」
 https://www.hokenkai.or.jp/

・日本側彎症学会 側弯症TOWN「側弯症を早期に発見するためにはどうすれば良いのか?」
 https://www.sokuwan.jp/patient/disease/discovery.html

・日本整形外科学会 公式サイト
 https://www.joa.or.jp/

【主要論文・ガイドライン】

・Weinstein SL, et al. "Effects of bracing in adolescents with idiopathic scoliosis". N Engl J Med. 2013;369(16):1512-1521.
(BrAIST試験。装具群72%/経過観察群48%がコブ角50度未満で成長終了に至った)

・Grivas TB, et al. "SOSORT consensus paper: school screening for scoliosis. Where are we today?". Scoliosis. 2007;2:17.
(学校での側弯症スクリーニングの意義と課題に関するSOSORTのコンセンサス論文)

・Negrini S, et al. "2016 SOSORT guidelines: orthopaedic and rehabilitation treatment of idiopathic scoliosis during growth". Scoliosis Spinal Disord. 2018;13:3.
(成長期特発性側弯症の評価・経過観察・治療に関する国際ガイドライン)

・Weinstein SL, et al. "Adolescent idiopathic scoliosis". Lancet. 2008;371(9623):1527-1537.
(思春期特発性側弯症の疫学・原因・自然経過・治療に関する総説)

本記事は2026年9月時点の最新医学的エビデンスおよびSOSORT(国際側弯症保存療法学会)、日本側彎症学会、文部科学省等の公式見解に基づき作成されています。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)基準に準拠した内容となっています。学校検診の実施方法や通知の様式は、自治体・学校によって異なります。側弯症の診断と治療方針の決定には整形外科での検査が必要です。自己判断で受診を先延ばしにせず、必ず整形外科専門医にご相談ください。本記事は医療行為に代わるものではありません。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。